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スクラップ
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『金属スクラップ』~有価物の本当の価値とは?~
◎『スクラップ』という言葉の意味
荒木商会では、金属全般を取り扱っております。
国内外のメーカーを通じ、リサイクル原料として活用されます。
見た目では判断しにくい『金属スクラップ』(特殊金属、非鉄金属など)を回収します。
お売りいただいた『金属スクラップ』は、製鋼メーカーや精錬所でリサイクル原料として幅広く使用されています。
『スクラップ(scrap)』とは、細切れ、細切れにする、細切れになってしまったという状態を意味する英語です。
金属製品の廃棄物や、金属製品の製造工程で出てくる廃金属を『金属スクラップ』と呼んでいます。
また、壊れてしまって修理再生の見込みがなくなった機械製品も『スクラップ』と呼んでいます。
その他にも、大事な雑誌や新聞の記事、写真を切り取ってノートなどに貼り付ける『スクラップブック』のようにも使います。
一見、要らないもののように感じてしまう『スクラップ』という言葉、実は要らないものではなく、価値がある有価物であったり、大事な思い出であったりします。『スクラップ』とは、あくまでもその状態を指します。
『スクラップ』=『細切りの状態』
◎『金属スクラップ』の種類
『金属スクラップ』と言っても色々です。
『鉄』、『アルミニウム』、『銅』、『錫(スズ)』などのスクラップは回収して、金属の新たな原料として再利用されています。
これまでも書いてきたように、循環型社会を創り出す為に『スクラップの再利用』は非常に重要であると言えます。
『鉄』を中心にした複数の『非鉄金属』や『プラスチック』、『ガラス』などが入り混じったものを『雑品スクラップ』と呼びます。
これらの『雑品スクラップ』は、分別や、処理に手間がかかります。
また、再利用して作った製品の質は一般的には低下します。結果的に再利用できない廃棄物が多く残ってしまう問題も抱えています。
◎『鉄』のスクラップ
『鉄のスクラップ』は『屑鉄(くずてつ)』とも言います。
『屑(くず)』と、一見悪い意味のようにも見えますが、鉄鉱石と同じように、重要な製鉄の原料でもあります。
『鉄スクラップ』は、電気炉によって再び鋼鉄へとリサイクルされます。
高炉を持たない電炉メーカー等が『鉄スクラップ』を原料としています。
しかし、『鉄スクラップ』を原料とした鋼鉄は不純物の量が少し多いので、鉄鉱石から生産された鋼鉄よりも品質が劣ってしまうという現実があります。それでも用途として十分に活用できる品質で再利用することができます。
『鉄スクラップ』の代表例と言えば、プレス処理をした後の廃車や、プレスして四角い塊になっているスチール缶などはよく見かけます。
『鉄スクラップ』はこのように、私たちの日常生活の中から、また製造業などを中心とした工場の廃棄物などから出てきます。再利用を行うことで、資源を有効活用しています。
◎『アルミニウム』のスクラップ
日本で消費される『アルミニウム』のうち、約70%は新地金(しんじがね)であり、残りの約30%はリサイクルされたものです。
『アルミニウム(ボーキサイトを原料とする)』の精錬には、非常に大量の電力を使うため、日本のアルミニウム精錬は2014年3月末で終了しています。ほとんどの会社は電気料金の安いブラジルや中東などで精錬しているのが現状です。
現在では、『アルミニウムスクラップ』からリサイクルして地金を作るほうが、ボーキサイトから精錬するより低価格なので、空き缶などのスクラップから再生産されています。
『アルミ』は特性として、
【軽い、強い、柔らかい、耐食性が強い、加工性が良い、電気の良導体、磁気を帯びない、熱を伝える】などの利点があります。
そのため、加工のしやすい『アルミニウム』は、
【アルミサッシ・自動車のアルミホイール・自転車のリム・アルミ支柱・アルミ鍋・アルミ飲料缶・機械部品・アルミラジエーター等】
多くのアルミ製品が、身の回りで使用されています。ちなみに1円硬貨もアルミです。
◎『金』のスクラップ
これまで『鉄』や『アルミ』のスクラップについて書いてきました。
スクラップには、【金・プラチナ・銀・パラジウム】などの貴金属を含んだ工業用・産業用の廃棄物や不用品もあります。
パソコンや電子機器、通信機器、電力装置などには、貴金属が含まれています。よくCMで見かける、『高価買取します』という貴金属・宝石のようなものとは少し違います。
【金・プラチナ・銀】などは工業用の金属としても極めて優れた特性を持ち、パソコンや電子回路などの部品に使用されています。【パラジウム】は、自動車の排ガス浄化触媒などとして使用されています。
携帯電話、スマートフォンや、パソコンの接点部品として金が使われています。
これらの金は回収され、再利用されています。新たな携帯電話、スマートフォン、集積回路(ICチップ)、コンピュータ、アクセサリーなどの、廃棄物、不用品を粉砕して精錬し、もう一度電子部品などの生産に再利用されています。
◎有価物の本当の価値とは?
今回は、『金属スクラップ』についての記事を書いてみました。
一般的に『有価物の判断基準』として、処分費用を必要としないものは『廃棄物』ではなく『有価物』とされています。
『売却金額から運搬費用を差し引いたときに、排出事業者側に利益があるかどうか』
が、大きな目安となっているようです。
もちろん利益があるかどうかは、商売である上では必要です。
現在、外部環境の影響により、廃棄物の処理費用はどんどん高騰しています。一方で、有価物の価値は低下している状況です。
荒木商会では、
『できない。分からない。を言わない企業づくり』
『新たな価値を提供できる企業づくり』
を進めています。
利益の有無だけではなく、リサイクルすることで再利用される有価物に、今後更なる価値を見出していく為に取組んでいます。これからもリサイクルの可能性を追求していきます。
『あなたが、今捨てようとしているものは本当にゴミですか。』
自分たち自身、またお客様にも問いかけながら、リユース・リサイクルを推進し、循環型社会の実現に取り組みます。
『リサイクル価値創造企業』として、【有価物の本当の価値】を見出していきます。