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【シリーズSDGs】ゴール⑮ 陸の豊かさも守ろう ~生き物はすべて繋がっている~
荒木商会では、SDGsをシリーズ化してそれぞれのゴールを考えていくと共に、弊社での取り組みに紐づけて、ご紹介していく事にしております。また社員と共有することで、会社が向かう方向性の理解と、意識づけ、行動の伴う実践として取り組んでまいります。
【シリーズSDGs】
◎ゴール⑮『陸の豊かさも守ろう』
【シリーズSDGs】15個目のゴールは『陸の豊かさも守ろう』です。
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
ことを目的とされています。
絶滅危惧種(絶滅する危険性が高い動植物)は、現在2万種を超えたと言われています。現在名前がついた種はおよそ175万種(未知のモノを入れると1000万種)と言われていますが、研究者によってはその4割以上の種が絶滅する危険性があるとも言われています。
ゴール⑭は『海の豊かさを守ろう』life below water~水の中の生物~
ゴール⑮は『陸の豊かさを守ろう』life on land~陸の上の生物~
人類は、海と陸の両方の豊かさを守らなければいけない事を意味しています。
また、生き物だけではなく、森林などの鉱物資源なども守っていく必要があります。
◎『レッドリスト』と『レッドデータブック』
絶滅危惧種は、スイスに本部を置く『国際自然保護連合(IUCN)』が作成している『レッドリスト』に掲載されています。
https://www.iucnredlist.org/ja/
また、ICUNが1966年から発行している絶滅危惧種をまとめた本が『レッドデータブック』と呼ばれています。
日本国内でも環境省や地方公共団体、NGOなどが作成しているリストもあります。日本に生息する野生生物について、生物学的な観点から絶滅危険度をレベル分けし、環境改善や保護活動などに役立てられいます。
リストにあげられている生物には次のような生物がいます。
わが国では既に絶滅したと考えられているニホンオオカミや二ホンカワウソなど7種。ごく近い将来で野生での絶滅の危険性が極めて高いラッコ、ジュゴン、イリオモテヤマネコ、二ホンアシカなど12種など。
多くは、コウモリやオオカミ、ヤマネコ、ネズミ、アザラシ、ウサギ、モグラ、テンなどの希少種です。それ以外にも地域的に孤立している個体群でツキノワグマや二ホンリス、ホンドザルなども挙げられています。
◎生き物はすべて繋がっている
ダイバーシティが叫ばれている世の中ですが、自然界にも様々な多様性が存在します。
生物多様性は、巨大な哺乳動物からごく小さなバクテリアまで、様々な大きさや形の生物が複雑に絡み合って暮らしていることを指しています。
その生物多様性は次の3種に分けられます。
・種の多様性(哺乳類、両生類、爬虫類などの動物、植物、微生物など約27万種に分けられる)
・生態系の多様性(生物とそれらが生きる環境を生態系という。森林、草原、海岸、沼、田畑など)
・遺伝子の多様性(親の特長や性質を子孫に伝える働きをする物質のこと。遺伝子の違いで形や性質が異なる)
生物多様性は一般的に『種の多様性』の事を指します。しかし、近年では『生態系の多様性』を守ることが多様な種を守ることに繋がり、種を守ることは『遺伝子の多様性』を守ることに繋がると考えられています。
これらはすべて繋がっていて、言い換えると多様な遺伝子を守ることが最も重要であるともいえます。
◎急速に崩れていく生態系のバランス
太陽のエネルギーを元に、空気、水、土などの自然環境は関わり合っています。植物や動物は食べたり、食べられたりしながらそのバランスを保っています。
その生態系のバランスを急速に崩しているのは人間の活動です。
開発目的の熱帯降雨林の破壊や、生物の乱獲などにより絶滅危惧種がどんどん増加しています。
地球の表面はおよそ7割が海で、3割が陸地であり、陸地の3割が森林です。その森林が破壊される原因は、木材や燃料にする為、焼き畑の為、畜産場にする為に、様々な理由で伐採されていることです。
世界全体でみると減少傾向にある森林も、中国、インド、ベトナムなどでは森林面積が増加しています。これは、植林活動により人工林を増やしているからです。日本においても森林の10本に4本は人工材です。ただし、手入れをしないことで光合成をしない森も増えています。生物多様性の面から見ても、人工林は樹木の種類が少なくそこに住む生き物も少ないため好ましいものではありません。
◎劣化する土と砂漠化する土地
日本に関しては人口減少が深刻していますが、世界で見ると人口が70億人を突破し、さらに増え続けています。
人工が増えることで、より多くの野菜や肉などの食料が必要になります。増え続ける人口を支える為には食料を生産する農耕地を拡大する必要があります。しかし、畑の面積を無限に広げることはできず、休ませながら使っていた土を酷使することで土の劣化が進んでいます。
人工が増えるとさらにたくさんの住宅が必要になります。住宅を建てる為により多くの木材が使われ、森林の伐採が進みます。焼畑や農業の為に森林伐採が進み、大気汚染による酸性雨によって土壌汚染が深刻化しています。こうして、植物が生えない砂漠化が世界中で問題となっています。
◎森は海の恋人運動
宮城県の海で養殖を営む畠山さんが始めた活動に『森は海の恋人運動』という活動があります。
森と海はつながっていて、養殖で育てるカキは森から運ばれる栄養によって育まれています。
雨が降ると森がいったん蓄えて、栄養たっぷりの水にして川や海へ流れます。その栄養により魚などが育つという意味です。海の生物4にとって森の存在は生命の源ともいえることを教えてくれています。
気仙沼の周囲の山々の環境が悪化してきたことで、海の生物を守るために森に約3万本の植樹を行い、子供達への体験学習も始めました。これが『森は海の恋人運動』とも呼ばれ全国に広がっています。
富山県氷見市にも、『ひみ里山杉』という地元産材木があります。
里山とは、近くの山や人家の集まる里、その間にある森や林一帯をさした地域の事を指します。
氷見市においても、ひみ里山杉の植林活動や伐採イベントを子供の体験イベントとして取り組んでいます。
氷見産のブリなど海の幸は日本でも有名です。その海の幸をもたらしているのは氷見の山々であり、山や森を守っていこうという活動を地元の企業、自治体などが取組んでいます。『山は海の恋人』と称して活動中です。
近年では、コロナの影響によりキャンプブームが広がっています。キャンプを楽しむ人たちは、自然と触れ合い、森林浴を楽しみます。同時にキャンプをしながらゴミを拾い、自然と共生する環境を整えています。
人間と動植物が同じ自然界に暮らしていることを再認識して、人間は自分たちが暮らすためだけに自然を破壊してはいけないことを理解し、できることに取り組んでいく必要があります。
日本は豊かな緑あふれた美しい国です。夏には森林浴ができ、秋には色彩豊かな紅葉を楽しむことができます。日本では昔から人間は自然の一部という認識が強く、自然の中の里山を中心とした生活圏を形成してきました。近年改めてこの考え方に注目が集まっています。人間と動植物、自然界が共生できる未来を創る必要があります。
※国際連合広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)より引用
※以下の参考書から引用、参考にさせていただきました。ありがとうございます。
SDGsがわかる本
SDGsのきほん 未来のための17の目標 目標15 陸の豊かさも守ろう
図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」がわかる本